モンペについて
今から約10年前、戦争とは、家族とは、幸せとはを児童書を通してお届けできればと思い、朗読仲間の向田ゆうと二人でこの会を立ち上げました。
この会は田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家に行ったようなアットホームな環境でおはなしを提供したいと思い、築80年以上の古民家で、作品に関連したお菓子を片手に麦茶を飲みながら聴くという、通常の朗読公演とは少し違ったスタイルで行ってきました。
スタッフを置かず全て二人だけで行うため、慌ただしくもありましたが、少人数だからこそ田舎に帰ったような懐かしい環境を提供できたと思っています。
残念ながら3年半の活動期間を経て休止しておりましたが、その間にコロナ禍や緊迫する国際情勢など想像もしていなかった変化がありました。私自身も最愛の母、そして唯一無二の相方である向田ゆうとの別れがありました。
やり場のない虚しさと後悔に押しつぶされそうになりましたが、沢山の人に手を差し伸べてもらい、「本当にやりたいコトをやりきる」と決めた時、彼女と作り上げてきたこの会を復活させることがもう一つの目標になりました。
復活にあたり、この会の相方は向田ゆうただ一人であるという結論に至り、彼女の想いも全て受け止めて一人で行うことに決めました。
一人だけでも作品の世界観をお届けできるよう精一杯励みますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2024年 昭和のおはなし会モンペ 角川幸恵
公演について
年に一度でもいい、
当時のおはなしを聴いてみませんか?
昭和のおはなし会モンペは配信ライブへと形を変え、より多くの方にお届けできるようになりました。公演だと足を運べなかった方も、長時間観るのが難しかったお子さんも、配信だと自分のペースでゆっくり視聴することが可能です。
今回の公演はトータル約1時間50分。ゆっくり見ていただけるように配信期間は2週間としました。
視聴にはteketのアカウント登録が必要ですが、同じ端末を使えばチケット1枚で家族みんなで視聴することも可能です。
また配信期間中もチケットを購入できるので、公演を見て知人、友人、離れて暮らす家族にも知らせたいと思われたら是非宣伝してください。
作品との出会い「八月の髪かざり」

戦時中のお話をお届けするうえで避けては通れないのが「原爆」です。どうしても重たいと敬遠しがちですが、児童書だと子供目線で当時感じた率直な思いをお届けできるのではないか、そんな思いからいろいろと探した結果、「八月の髪かざり」という作品に出合いました。
70代の人形ばあちゃんこと、久恵さんは展示会である人形と出会いをキッカケに過去の記憶がよみがえります。あの日「行ってきます」と笑顔で出ていったキヨねえちゃん。今なお心に抱えたオモイ。目を背けてきた過去と向き合う人形ばあちゃんのおはなしです。今回は作中に登場するイラストとピアノ音楽を交えてお届けします。
メッセージ
戦争というとなんだか心がつらくなるから、見たくない。
確かにその通りかもしれません。
でも私たちの祖父母、そのまた上の方々が避けたくても避けて通ることができなかった「戦争」という事実を無かったことにすることはできません。
戦後70年以上が経過し、
子供の頃のように祖父母から戦時中の話を聞くことは難しくなりました。
戦争を体験したことのない私達が目を背けてしまうと、「戦争」は過去の遺物と化し解釈次第で良くも悪くも変化する虚像になってしまう日が来るかもしれません。
この会は戦時中のおはなしを児童書を通してお届けすることで、特別なことではなく当時の日常を少しでもお伝えできればと思っています。
過去を知ることは未来を描くことにつながっていると信じて。